薬剤師ほど就職状況が変化している職種もあまりありません。大きな理由は2つですが、1つ目の理由はご存知の通り薬学部の6年制の移行です。
平成14年 | 8100人 | 平成19年 | 14274人 |
平成15年 | 8475人 | 平成20年 | 13394人 |
平成16年 | 10315人 | 平成21年 | 13314人 |
平成17年 | 11535人 | ~ | ~ |
平成18年 | 12454人 | 平成25年 | 12994人 |
薬学部の新設大学が増え、平成14年度には薬学部の学生総定員が8100人程だった定員も平成25年度には12994人となっています。薬剤師の人材業界はこれまで、不足気味な事もあり引く手あまたな状況でもありました。
ところが、これからはこの薬学生の増加の波により需要と供給のバランスが反転する傾向にもあります。薬剤師の国家試験の合格者が増加する事がそのまま薬剤師求人の競争率を上げる事にもなります。
ドラッグストアや量販店での薬剤師求人が減る理由
2つ目の理由は記憶に新しい人も多いかと思いますが、平成18年より一般医薬品のうち第ニ類と第三類は、薬剤師の資格がなくても販売できるようになりました。
これは登録販売者国家試験の創設が原因で、これによりドラッグストアやコンビニで登録阪売員による販売が増え、薬剤師資格の需要が減る要因にもなります。乱立するドラッグストアや量販店が考える経営設計は人件費をなるべく抑えるために薬剤師の勤務率を減らそうという流れにもなります。
専門分野なりの薬剤師求人を探す事がポイント
国内の薬剤師が増え、薬剤師が働ける場所が減るからといって必ずしも薬剤師が飽和し働く場所がなくなるという訳でもありません。というのも医療機関を中心として勤務する医師や看護師と違い薬剤師は他の場所での選択肢が広い職種と言えます。
というのも、薬剤師は薬局や病院、製薬会社また学校や公共機関、大学への進学と選択肢が多くあります。薬剤師としての資格と専門知識を特別に必要とする場所をしっかりと選ぶ事で他の職種と重ならない、また同じ薬剤師との差別化を図るこ事ができます。
とは言え薬剤師の就職活動状況が大きく変化していくことは否めません。自分が得意としている薬剤師のスキル、知識や分野、また薬剤師が特別に求められる職場を長期的な視点で選ぶ事がポイントとなりそうです。